プレゼン用のスライドのテンプレートを作るときに、同僚から言われました。
Let’s explore a variety of layouts thinking about the scaffolding and structure vs fully stylized layouts.
完全に装飾したレイアウトじゃなくて、足場や構成のことを考えながら、さまざまなレイアウトを探ってみよう。
文脈から、ビジュアルデザインに入る前に、テンプレートの構成から考えようという趣旨であることは分かったのですが scaffolding の意味が分かりませんでした。辞書を引いてみると、「建築現場などの足場」と出てきます。サンフランシスコでは、建物の工事に使う足場が歩道に組まれているのをよく目にしていたため、すぐにビジュアルが思い浮かびました。
デザインをするときに足がかりをつくる作業だと考えると「土台」「下地」「骨組み」といった言葉がしっくりくるのかもしれません。デザインの文脈で土台といえば、ワイヤーフレームやユーザーフロー、コンポーネントの精査などが scaffolding であると言えそうです。
Here’s a wireframe. We have the scaffolding built on the landing page so ready to dive in anytime!
これがワイヤーフレームです。ランディングページの下地は整っているので、いつでも取り掛かることができます。
The design team is working on optimizing the user flow, and revising the scaffolding of the product.
デザインチームの方ではユーザーフローの最適化を行っており、プロダクトの骨子を見直しています。
scaffolding と scaffold
scaffolding の他に scaffold という名詞もあります。どちらも足場を意味し、入れ替え可能な言葉ですが、ニュアンスが異なるようです。
scaffolding は、建築現場の足場を「構成する材料」や「足場を作るプロセス」を指します。動詞としては使用されません。
一方 scaffold は、建築現場で作業員が立つ建造物としての「足場」を指し、「足場を組む」「足場を支える」という動詞としても使うことができます。動名詞として使うと scaffolding になり、なかなか混乱しそうですね。さらには「絞首台」という意味もあります 😨
scaffold が絞首台を連想させ得ることもあり、足場の意味では使わないという人もいます。これを意識していたかはわかりませんが、この記事の最初の文を発した同僚も scaffolding を使っています。会話の文脈から絞首台と混同されることは稀ではありますが、意図しない誤解を与えないように頭の片隅に置いておきたいですね。
FEATURE
私のデザイン作業の scaffolding
私がデザイン作業の初期フェーズでつくっているもの、いわば scaffolding にしているものを具体的に紹介します。詳細なデザインに集中して取り組むことができるので、これらを先に揃えておくことが欠かせません。
■ プロジェクトの要件をまとめる
プロジェクトの大小に関わらず、まずは要件をまとめます。他のチームから依頼があってデザイン業務が発生する場合も、質問を繰り返して、誰に向けた施策なのかや、プロジェクトのゴール、スケジュールなどをドキュメントにまとめます。後からコピーライターなど、他のメンバーが加わった場合にも、このドキュメントを拠り所にできるので、まさに足場を固める作業です。