余分な、冗長な redundant
これはデザイナーの英語帳の記事です
redundant は「余分な」「冗長な」「重複している」という意味を持ちます。デザイナーはもちろん、エンジニアやコピーライターなど、できる限り無駄を省いて体験やメッセージを届けるものづくりに携わる仕事には馴染み深い言葉です。
オックスフォード英英辞典を引くと not or no longer needed or useful(必要のない、あるいは役に立たなくなった)と説明されています。つまり、重複しているために余分であり「不必要になっている」というニュアンスを暗に含み、対象を redundant と指すだけで取り除くべきであることを示唆できます。
余談ですが、そのニュアンスから「(余剰であるため)解雇される」なんて意味でも使われます。
デザインの仕事の中では、成果物中の要素への指摘や、フィードバックで頻出する言葉です。同等の役割を持つナビゲーションや UI コントロールがひとつの画面内に複数配置されている状態や、誤送信によるリスクが無いフォームの送信時に確認のボタンが表示される体験など、ユーザの混乱や手間を招くであろうデザインはまさに redundant です。
例文
I deleted some layers as they were redundant.
いくつかのレイヤーが重複していたので、削除しました。
The breadcrumb in the help page “Help > Pricing > Pricing” seems redundant.
ヘルプページの「ヘルプ > 料金 > 料金」というパンくずリストは冗長に感じさせますね。
COLUMN
UI デザインにおける冗長性が高齢者のユーザーに与える効果
重複している要素は無駄なので削った方が良いのと捉えられることが多いのですが、ユーザーインターフェースにおいて冗長なデザインが高齢者や、操作に慣れていない人にとっては手助けになるかもしれないという仮説で取り組まれた研究があります。
📎 The effects of redundancy in user-interface design on older users - ScienceDirect
この論文では、冗長なデザインを「異なるフォーマットで同一コンテンツを繰り返し表示すること」として、例えば同じ内容を言葉とアイコンの組み合わせで示すこととしています。
結論としては、高齢者などテクノロジーに親しみのない人にとっては、冗長なデザインは操作のスピードや精度の改善には寄与するというわけではなく、言葉のみのインターフェースの方が使いやすいと感じさせていたようです。
仮説を立証し得る結果を得られなかった一方で、テクノロジーに親しみのある人にとっては、言葉のみ、あるいはアイコンのみと比べた時に、両方表示した時(冗長なデザイン)の方が操作のスピードや精度が改善するという面白い結果もみられていました。
冗長に見えるデザインも、ユーザにとっては複数の手段が用意されていることで利便性を高め得るという側面や、繰り返された説明が理解を深めてくれる側面もあり、一概に重複を取り除くのが正解ではないことを、デザイナーとして思い出させてもらえる論文でした。


