サムネイルについて議論していたときに同僚が言いました。
For the thumbnail image, I was thinking of going with a portrait. It'll best convey our brand's visual identity.
サムネイル画像は portrait にしようと考えていました。それが私たちのブランドビジュアルを一番伝えられると思うんです。
私は portrait と聞いて、人物写真を思い浮かべていましたが、あとで勘違いだったことに気づきます。同僚が話していたのは、写真ではなく画像の縦横比のことだったのです。portrait には人物写真や肖像画の他に「縦長の・縦向きの」という意味があります。
portrait が縦長を意味する理由を調べると、肖像画で顔や上半身を描写するために、縦長のキャンバスがよく使われることから来ていると知りました。対して「横長の・横向きの」は landscape と言います。風景や景色という意味もあり、風景画には横長のキャンバスが好まれることから landscape が横長を表す言葉になったそうです。
📎 Page orientation – Wikipedia
vertical と horizontal のように直接的に表現する言葉もあるのですが、比喩から来た語が慣用されているのは面白いですね。
デザイナーにとって身近なところでは、スマートフォンの画面の縦向きや横向きのことを portrait mode や landscape mode と言います。例えば、iOS の写真アプリの landscape mode では、横長な画面に最適化されたレイアウトになっています。特に私が気に入っているのは、共有アルバムに最近追加された写真が見られる画面です。縦向きの時に見えていたテキストなどの情報が省かれ、画面いっぱいに写真が並ぶようになっています。
例文に続けて、私が気になった landscape mode を活かしたデザインのアプリをいくつか紹介します。
例文
When using the regular call screen, it's in portrait for ease of one-handed usage, but we switch to landscape mode during group calls to display multiple participants clearly.
通常の通話画面では、片手でも使いやすいように縦長になっていますが、グループ通話中は複数の参加者を見やすくするためにランドスケープモードに切り替えています。