着想を得る、喚起する inspire
inspire は日本語でも「インスパイア」として、他の作品などに影響を受けたり、着想を得たりすることを意味して使うことも少なくありません。
ラテン語の「吹き込む、息を吹きかける」に由来し、神様のような超自然的な存在の力(息)によって影響を与えられるという比喩的な意味に始まり、現在では知性や感情を刺激したり、想像を掻き立てたりする意味合いで使われるようになったようです。
そのため「鼓舞する」や「吹き込む」といった意味もあり、日本語での使用感をそのまま当てはめて使うと、意図しない形で伝わるのではないかと個人的に少し不安になったことがあります。いくつかの使い方がわかる例文を紹介したいと思います。
例文
inspire の目的語は影響を与える対象になります。つまり「作品や人からインスピレーションを得る」という表現をするには、受け身の文を使うことになります。日本語で言う「インスパイアされた」は、ここから来ていそうですね。
Here’s a new visual for the landing page. I was inspired by John’s idea that creating abstract patterns by our logo.
こちらがランディングページ用の新しいビジュアルです。ロゴで抽象的な模様を作るという John のアイデアから着想を得ました。
I created a new social media template. It’s inspired by the pink gradient one we made in the past, but using yellow and blue.
新しいソーシャルメディア用のテンプレートを作りました。以前作ったピンクのグラデーションのテンプレートがベースになっていますが、黄色と青を使っています。
逆に、作品や人を主語にすることもあります。「奮い立たせる」「鼓舞する」「喚起する」と訳しているのをよく目にし、デザインの文脈では「(ユーザーの行動を)促す」といった表現で使うことも多いです。
We have a webinar to inspire both new and existing users to use the new desktop app.
新規と既存のユーザー両方に、新しいデスクトップアプリの利用を促すためのウェビナーを開催します。
What inspired you to become a designer?
デザイナーになろうと思ったきっかけは何ですか?
(何があなたをデザイナーになるように奮い立たせましたか?)
「インスピレーション」と聞くと馴染みがあるかもしれませんが、名詞の形の inspiration もよく使われます。ひらめきや発想だけでなく、発想の源となる物や人のことも指すことができます。
Inspiration for a new design came to me while I was walking in the park. 公園を歩いている時に、新しいデザインのひらめきを得た。
My mentor, Carlos, is my biggest inspiration in graphic design.
グラフィックデザインにおける私の一番の発想の源は、メンターのカルロスです
FEATURE
違うフィールドからインスピレーションを得る
UI のデザインや、ウェブデザインの仕事をしている中で Mobbin や Lapa Ninja といったデザインの事例がまとまったサイトからイスピレーションをもらうことは少なくないのですが、自分の仕事とは少し違う領域や分野のクリエイティブのアウトプットから想像力を掻き立てられることも多々あります。
仕事に関係しないものを目にするには少し意識が必要です。私の場合は、インスピレーションを取り込むタイミングに領域を問わず目にしたいサイトへのブックマーク集を使うようにしています。