ソフトウェアの使い方を教えるフレーズ
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渡米以前からデザイナーとして働いていたので、英語をうまく話せないながらも、デザインソフトはそれなりに使いこなしているつもりです。プロダクトデザインのブートキャンプでは、他の生徒に使い方を教える場面によく出くわしました。
英語の流暢さにかかわらず、自分が人より詳しいことがあれば、人は自分を頼ってくれます(特にアメリカのテック業界で働くひとたちは、長所へのリスペクトを大事にする向きにあります)。そこを糸口に良い関係性を構築していくことも少なくありません。
とはいえ、ソフトウェアの使い方をわかっていても、説明に使う言葉は日本語ではありません。当初は英語のレッスンをしてくれた先生からいくつかのフレーズを教わり、少しずつ伝えられるようになっていきました。
最初に頭に入れたのは “You can” でした。日本語では主語となる「操作する人」である You が省略されるので、素早く出てこないことがあります。この「操作する人」も特定の個人である説明している相手というよりは、一般的な利用者のことを指すニュアンスがあり、誰もがその操作をおこなえることを意味して You が使われます。
例えば Figma の使い方を伝えるとき。
First, you can create a frame by clicking in the canvas of Figma.
まず、Figmaのキャンバスをクリックするとフレームが作れます。
You can also select a frame size from the presets.
また、プリセットの中からフレームサイズを選択することもできます。
主語を抜いて動詞から始めることもできます。命令口調になってしまうのでは…と心配になるのですが、説明の場面では、そんな風には伝わりません。例えば Figma でテキストのレイヤーを作成する方法を聞かれたとしましょう。
Select the text tool and click anywhere on the canvas to start typing. You can adjust the font size and color in the right panel.
テキストツールを選択して、キャンバスのどこでもクリックすれば入力ができる。フォントサイズや色が右のパネルで調整できるよ。
Adjust the line spacing by changing the numerical values.
数値を変えて行間を調整しよう。
ツールによって出来ることを紹介するときには、インターフェースそのものが主語になることもあります。
The left sidebar displays a list of pages and layers.
左のサイドバーには、ページとレイヤーのリストが表示されます。
The speech bubble icon opens the comment panel.
吹き出しのアイコンをクリックすると、コメントパネルが開きます。
マウスポインタや指で、画面内の要素を指しているときなど、説明の対象が明確なときには this を主語にすることもあります。
There are some action items next to the file name. This (one) shows version history.
ファイル名の横にいくつかの項目があります。これはバージョン履歴を表示します。
ハンズオンで何かを説明しているときには Let’s で始めて実際に操作を促します。
Let’s create a new page. Click this button.
新しいページを作ってみよう。このボタンをクリックしてみて。
Let's preview our design by hitting the play button at the top right of the screen.
画面の右上にある再生ボタンをクリックして、デザインのプレビューをしてみよう。
「戻る」ってなんだっけとなりやすいのですが、前の画面に戻って欲しいときには ”Let’s go back” です。
Let’s go back to the previous screen.
前の画面に戻ろう。
やっていることが「見えた?」「分かった?」と言いたいときには “You see?” というとカジュアルに表現できます。
You see? The new page just appeared in the side panel.
(操作をしてみせながら)ほら!サイドパネルに新しいレイヤーが表示されたよ。
TIPS
デザインソフトの使い方の動画から学ぶ
既に知っているものについて英語で話しているのを聴くのが、英語だけに集中できる学習方法の定番ですが、デザインソフトウェアの使い方を説明しているコンテンツは更に学習効果を高めてくれるかもしれません。
使い方を教える動画というのは、シンプルな言葉を使い、はっきりとした口調で説明していることが多いので、英語自体を聞き取りやすく、基礎的なリスニングの訓練に役立ちます。
私もリスニングに不安が強いうちは、慣れ親しんでいるデザインソフトウェアについての動画を観ていました。ここでは、特に聞き取りやすかったソフトウェアの使い方の動画を紹介します。