摩擦 friction
ポジティブな不都合
friction を辞書で引くと「摩擦」「不一致」「あつれき」「抵抗」と様々な意味を見つけることができます。こういった意味から転じ、UX デザインにおいては「ユーザの行動を遅らせるもの」というニュアンスの名詞として登場することが多いです。
アプリをダウンロードして起動し、会員登録などの多くのステップを経るために、本題のサービスを使えるまでにユーザが離脱していく傾向を
There’s a lot of friction in the onboarding flow.
オンボーディングの流れにかなりフリクションがある。
と指摘していたのを私が初めて聴いたときは、「摩擦」を比喩に使うのを日本語ではあまり聞かないなと面白い印象を得たのを覚えています。
使われている対象に意識を向けると、見分けのつかない要素たち、余計なステップ、不明瞭な文言、ぎこちない動きなど、ユーザにかけてしまう様々な負担を総じて friction と言ってしまえる便利な言葉であることに気づきます。
例文
We should reduce friction between signing up and getting started.
サインアップから利用開始までのフリクションを減らしたい。
This step adds unnecessary friction. Can we simplify it?
このステップは余計な摩擦を生んでいる。もっと簡単にできないかな?
Users drop off here because of the friction in the payment process.
決済プロセスでのフリクションで、ここでユーザーが離脱している。
Friction comes from inconsistent button labels and unclear hierarchy.
ボタンラベルの不一致や階層構造の不明瞭さがフリクションの原因になっている。
摩擦と訳そうとせず、そういった抵抗のあるもの、負担を与えるものという意味であえてカタカナのまま覚えておいた方が、頭で日本語に置き換えるフリクションが減るかもしれません。
FEATURE
ポジティブな摩擦
friction の持つ意味から、ユーザ体験のデザイン上では避けるべきものであると考えがちですが、ときにユーザの判断を助けたり、誤操作を防止したりする、positive friction(ポジティブな摩擦)や、intentional friction(意図的な摩擦)というものがあります。
Gmail の送信前の添付忘れ警告
送ろうとしているメールの本文中に「添付しました」と書いているにもかかわらず、添付したファイルが存在しないまま送信のボタンを押した際に「ファイルを添付するのを忘れていませんか?」という警告ダイアログを出てきます。
普段の操作では発生しないため、ユーザにとってはメールの送信をするという目的を達成できるまでのステップが余計に増える摩擦であると言えますが、多くの場合においてユーザのミスを防ぐことができるであろうポジティブな摩擦と捉えることもできます。
Duolingo の連続学習を宣言する画面
言語学習のレッスンを受けられるアプリである Duolingo において、レッスンの終了後の画面でユーザにひと手間を強要するデザインの変更は面白い結果を得たようです。
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