私は「ファンシー」と聞くと、80年代の可愛らしいパステルカラーのイラストを想像していましたが、仕事の中で同僚の使った fancy が文脈的にどうしても同じ意味とは思えず、戸惑ったことがあります。
実際には「手の込んだ」「装飾の多い」「高度な技術の」といった意味があり、私の想像する「ファンシー」とは少しかけ離れていることを学びました。デザイン以外の雑談でも、高級な(凝った)レストランを指して fancy restaurant のように使われ方も耳にします。
例文
I added a fancy background pattern to this poster to make it more visually appealing.
視覚的により魅力的になるように、このポスターに手の込んだ背景パターンを追加しました。
The new update includes several fancy features, such as real-time collaborative editing and time-lapse video.
新しいアップデートには、リアルタイムの共同編集や、タイムラプス動画などの特別な機能が含まれています。
Could you take photos of the employees for the website? It doesn’t need fancy equipment; an iPhone is fine.
ウェブサイトに掲載する社員の写真を撮影して欲しいです。高価な機材じゃなくてiPhoneで十分です。
この幅広い意味がある理由が気になり、語源を辿ってみたところ「想像力」や「気まぐれ」を意味する fantasy から派生した言葉であり、1700 年代には宝石やケーキ、壁紙などの装飾的な商品を fancy goods と呼ぶようになったことから「高級」や「精巧」も意味するようになったようなのです。
Perplexity に尋ねてみると構造化して分かりやすい解説をしてくれました。
Why did the word "fancy" come to mean expensive, decorative, intricate, and advanced?
ここまで紹介した形容詞としての意味に加えて、動詞として「〜が好き」という意味もあるのですが、実際に使われているのを目にしたことはありません。
FEATURE
「ファンシー」を英語にするなら?
「ファンシー」が英語の fancy と違う意味となるのであれば、「ファンシー」を意味する英語はどう表現すると伝わるのかが気になります。
日本では80年代に流行った「ファンシーカルチャー」と呼ばれる幼児向けの雑貨や文具用の可愛いイラストの文化があるため、「ファンシー」という言葉から共通してイメージされるスタイルがありますが、それをすべて英語で説明するだけで大仕事になってしまいます。
そこで「ファンシー」が意味するであろう可愛いイラストやデザインを例に挙げて、アメリカでデザイナーとして暮らしている友人たちなら何と表現するかを教えてもらいました。